▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 広報コバヤシ (2003.10.13号)▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼
☆リフォーム「光のトンネル」
<新しい素材を使ってみよう>
いわゆるウナギの寝床といわれる街中の狭小間口敷地で、十分な採光を得るのはなかなか難しい。今回はKさん宅リフォームでの新しい試みを報告しよう。
裏のエリアへの経路に土間を辿っていくのは町屋ではよく見られる風景だが、両側とも収納や壁で塞がれてしまい、十分な光、風ともに採れないのは建築家の悩みの種である。京都などでは路地を坪庭風に仕立て、夏の涼風や光を得るという文化があるが、この地でそれを実現するのには少々難がある。
※リフォーム前の様子
所狭しは良いとして、風通しが悪く、陽が入らないのを改善したいという。しかし収納量は確保したいという要望。
Kさん宅は東面道路に位置し、東西方向に長い袋状敷地に構えている。北側からも採光できるよう通路外装材には透過性のあるポリカーボネート性の波板材を使った。(左写真)
これだけだと、なんとなく物置の中のようであるし、木部の桟は埃たまりになる。また、半戸外的な部位であるとは言っても、やはり断熱性に欠ける。内張りにその性能を満たす内装を施さねばならないだろう。
収納については、居室側と通路側の床高の段差を利用し通路天井の高さを押さえることによって、天井懐を室内側から収納空間に当てることが出来た。さあ、問題は透過性のある内装材である。
<ポリカーボネート素材とは>
この乳白色のプラスチックの板のようなものは「ツインカーボ」といい、断熱高耐候中空シートとして近年、旭硝子から建材として出されたものである。用途は店舗、公共施設、内外装を問わない。
http://www.agc.co.jp/polycarbonate/siyourei.html#2
メーカーによれば「ツインカーボは、ポリカーボネートを特殊技術で一体成形した、中空構造のシートです。
一般ポリカーボネートシート(同厚)に比べ約1/5と超軽量で、その構造から生まれた空気層は、優れた断熱・保温効果をもたらします。」とある。
そもそもポリカーボネートとはどういった素材なのか?
ポリカーボネートは、メガネのレンズや音響CDの基盤に使われている高透明素材として大変ポピュラーなプラスチックだが、透明であることだけでなく他にも優れた特徴を持ち、電気電子分野、一般機械分野、自動車分野、シート分野、OA分野、建築分野と幅広く使われている。防弾材料に使えるほどの高い対衝撃性を持ち、可視光線透過率は85〜90%というガラスに匹敵する透過性能、さらに成形収縮率が小さく、成形品の寸法安定性に優れている。また冷蔵庫から電子レンジまで使用可能という幅広い温度条件(−100℃〜135℃)をもち、難燃材無添加でも難燃性を発揮し建築分野、電気・電子分野など難燃性を必要とされる分野でも幅広く使用されている。
※完成の様子
ご覧の通り近未来的な不思議空間になった。これは光のトンネルである。
ただ静電気を帯びやすく、埃対策として静電気防止スプレーなどを使い日常のメンテナンスをしたいところ。
旭硝子